社長の不倫リスクや慰謝料について
1 社長特有のリスクと慰謝料相場について
一般的に、社長(会社経営者)は、社会的地位が高く、多くの人と携わる機会があり、収入が高く一定の資産を保有していることも多いことから、サラリーマンと比べて不倫に発展する可能性が高いといえます。
一方、社長は利害関係がある人(特に利害が対立する人)も多く、不倫をしていることを調査されたり、関係者からリークされる可能性もあります。
不倫をしていることが判明すると事実上の信用を失うことから、離職者が現れたり、会社の信用維持のために代表取締役を解任されるということもあります。
また、不倫慰謝料については、収入や資産が考慮されることもあります。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 不倫によって信用を失うことの弊害
会社によっては、社内で従業員が不倫をし、社内秩序を乱した場合には、何らかの形で処分をすることを定めているか、または事実上そのような処分をするということがあります。
それにもかかわらず、社長が不倫をしていて、その事実が社内で知れ渡った場合、従業員からの信用を失うことになります。
その結果、離職者が発生する可能性もあります。
また、不倫(不貞行為)は、民事上は損害賠償責任が発生する違法行為です。
そのため、場合によっては株主などから代表取締役を解任されることもあるだけでなく、取引先からの信用を失って会社の収益に悪影響を及ぼすことさえ考えられます。
このように、社長が不倫をした場合、一般的なサラリーマンとは全く次元の違う問題に発展する可能性がありますので、不倫をしないことはもちろん、不倫につながるような場面も避けることが大切です。
3 不倫慰謝料の相場
社長は一般的には、収入が高く資産も多く保有していると考えられます。
もっとも、このような事情は、不倫慰謝料を算定するうえでの一要素にすぎません。
基本的に、不倫慰謝料は配偶者に生じた精神的苦痛に対して発生するものですので、収入や資産はあまり大きく影響しません。
社長の不倫の場合の慰謝料の相場は、多くの場合100~300万円であると考えられます。